サウンドテニスの新世界   競技開発  全盲の人達同士 / 弱視の人達同士で 対戦するテニス競技


テニスは 競技コート上の どの位置に立っているのか・・ プレーする人が 分からなくては ゲームの実現は難しくなります。
こうした内容に加え 対戦相手が見えない状態で プレー可能なテニス開発が進み 初期の 「視覚ハンディキャップテニス」 が誕生しました。

視覚ハンディキャップテニスは 研究開発が進み 身障者スポーツとしての活用に加え 通常視力の人と視力障害の人が 全力で競い合うことの出来るサウンドテニスの 競技設計を図りました。 むずかしいと考えられていたテニスは 新しい市民スポーツのひとつとして 内容を 高めました。

テニスがその参加に 障害者・健常者と区別する差別化のあるスポーツであれば テニス環境づくりに貴重な多くの時間とエネルギーを投じることは不要ですが 偏見も差別化もないスポーツにできるとの思いで競技設計が進みました。

サウンドテニス競技は 障害のある人達を 障害者とは考えず テニス愛好者として 参加可能なスポーツとして誕生しています。
この競技開発の一部を ご紹介します。


 
■ ボールは スポンジボールの中に鈴や盲卓球ボールを加工挿入し パウンド音でボールの位置をイメージする工夫が 図られています。
 ■ コートは その大きさを コート内を移動して歩幅と周囲の説明で理解し コートのセンターマーク近くには 手足の接触で分かる
   ガイドマットを設定します。 マットは 道路上の歩行補助として役立つ 点字ブロックに類似した役割りがあります。


 視力障害者スポーツの競技ラインを設定する場合 一般的には ラインの裏面に 3〜5mm のヒモを貼りつけ 触覚で確認出来る
 方法が用いられています。 このヒモを使用した方法に比べ 確認し易いものにと 開発したのが 幅 25mm のガイドマットです。
 ガイドマットは 脱着自在の構造にしており 床面への設置は マット上に粘着力の弱いフロアテープを使用して固定します。
 ※ガイドマットの素材は 最寄りのホームセンターで購入可能な ダイヤマット という塩ビ製品です。
 ガイドマットは サービスを行う際の フットフォルトを 防ぐために活用します。 ベースラインから 30cm 後方の位置に貼りつけます。
 マットを分かり易く活用するために 野球の投手プレートの使用と類似して 足の一部を マットに触れた状態で サービスします。

 この規定に反すると フットフォルトとして判定されます。  30cm の位置は 標準的なシューズの長さから 決定しています。

下記のコート図は クリックすると 拡大します
  
  
   サウンドテニスの楽しみ方  ※硬式テニス内容に準じてプレーします

 サービス 各ポイント毎に 2回のサービスが認められ 1回フォルトしたときに 2回目のサービスを します
最初に右サイドから行い フォルト(ミス) した場合に 左サイドからサービスして 2回ともフォルトすると 失点します

サーバーは サービスするサイドを 「右から(または 左から)行きます」 とレシーバーに声掛けすることが必要です
レシーバーからの 「ハイ」 を確認したら 5表以内にサービスします 返事を確認しないでサービスすると レットになります

 レシーブ レシーブの準備が出来たときは サーバーの声掛けに 「ハイ」 と答え 準備前の場合は返答しないこと
準備が少し長く遅れる場合は 「待ってください」 と答えます

少し間をおいて サーバーからの再度の呼びかけがあるとき 「ハイ」 と答え プレーが始まります
「ハイ」 と答えた後に移動すると レットと判定されます  レシーブは「ハイ」 と答えた場所を変更しないことが基本です
 
 プレー 全盲・弱視の人達は 3バウンド後までの打球を有効とします
視力別に規定された競技コートの外に最初のバウンドが着地した場合 サービスはフォルトに 他の打球はアウトと判定します

 ポイント 1ゲーム5ポイント先取とし カウントは サーバーがコールします
サービスを除いて インコート内のレシーバーに ノーバウンドの 打球が当った場合 打球したプレイヤーの失点とします

 ゲーム 競技は 4ゲーム先取1セットマッチ または 2ゲーム先取1セットマッチで行います
競技開始のサービスまたはレシーブの選択は対戦者との間で 発声を伴うジャンケンで決定します

1ゲーム毎にサービス権は交代して行いますが 4ゲーム先取競技の 3ゲームオールになった場合には
第7ゲーム目は 対戦者相互のポイント合計が 3ポイント または 6ポイントになった時点で サービス権を交代します

 
 競技コート  全盲または弱視同士で競技するコートは 13,4m × 6,1m の大きさの標準コートでプレーする
ネットから 1,7mの位置に設定したサービスラインとベースラインの間を有効とし この範囲を外れた打球はフォルトに サービス以外はアウトと判定する

 視力レベル 視力レベルは 全盲・弱視・通常視力 に 区分します   視力レベルの判定は 本人の申請と打球の確認能力から決定します
視力・視野レベルの判定に 機器測定を採用しないで 競技コート上での実際の視力を基準とします